朝からギョーザ

劇団とりとんくんの第３回公演

「 朝からギョーザ 」を観に

阿佐ヶ谷のかもめ座に行って来たので感想を書きたいと思います。



感想についてなんですけれども



今回は結構楽しめたのでそれはそれで良かったのですが
とりとんくんのメンバーもそういう感想よりも
次回に繋がるような「 意見 」を求めているようなので
感じたものを素直に書こうと思います。

まずはやはり前回の「 桃太郎 」があまりにもやりたい放題だっただけに
それとの比較にからになるけど
今回はお客さんに観てもらう事を意識して
しっかりと作って来たなという印象を受けました。

アドリブなんかもありつつも
予定時間の１時間４５分でしっかりとダレずにまとめていたと思います。

しかしながら何気ない日常を中心に物語を描くという本の内容や
箱のサイズに合わせ茶の間セットだけという舞台設定から
各幕の起伏が付き辛くて全体を通すとやや平坦に感じてしまいました。
（もちろんその中で色々と試みているのは伝わってます。）

本の内容的には伝えたい部分は感じ取る事は出来ましたが
笑わせたい部分もグッと心を掴みたい部分も
感情の伝わり方がピークに達しなく後一歩足りないという印象で
これは本として各ポイントにしっかりと焦点を合わせ切れていない部分と
役者さん達の技量など理由はいくつかあると思います。


幾つかのテーマが盛り込まれていて
その中でも一番のメインテーマであったのが

「 幸せってなんだろう 」

だと感じたのですが
最後の終り方が「 だって赤ちゃんはカワイいもん 」みたいなオチで
落とし所が曖昧で結局は最終的に何が伝えたかったのか分かり辛く
非常にもったいないというか残念に感じましたね。


本はやっぱり当て書きかな？
キャスティングはとても良かったと思いました。

個人個人については
今回一番光ってたのは母親役の女の子でした（名前が分からん●）
完璧に「 ああいうお母さん 」になっていて凄く良かったと思います。


続いて居候役のサンコン
あれはもう完全にキャラ勝ちだね（笑）
ある意味今まで観た事の無いサンコンだったから面白かったです○
サンコンの良さはあのキャラの強さだし
自分の強い部分を伸ばす事が一番だと思うけど
そこに今以上の技量が付いてくればもっともっと良い役者になると感じてます。


次は親父役のコノム選手
やっぱり安定感があるし、しっかりとオジサンになっていたと思います。
ただ良くも悪くもコノムも個性があるから
いつものあのニヤケ顔が出た瞬間に役柄に関係無く
「 いつものコノム 」だとなってしまうのがね。。
それについては終った後でコノムと直接話をしたら
本人も実は今回そこを出さずにしようと意識はしてたらしく
たぶん彼の課題の１つなんだろうなと感じました。


兄役のタジヤンは
予想以上にと言ったらタジヤンに失礼ですが
安定感があってびっくりしました。
もちろん細かい事を言い始めたらきりはないのですが
真剣に芝居に取り組んでるのを感じました。
もう少し肩の力の抜けた感じの芝居が出来ればよりグッドだと思います。


妹役の女の子（名前が分からんパート２●）
あの子もキャラ勝ち感はあるよねw
前回もウマい事キャラが立ってて良かったのですが
クサさが抜ければ更に良くなると感じますね。


弟役のブンちゃん
前回はおれっちが一番良かったと感じたブンちゃんだけど
今回は一番課題が残る結果になってしまったかな。
ブンちゃんの強みはあの肉体から来るパワーと躍動感と情熱だと思うし
完全に力技で押し切れる内容でそこにハマった前回は良かったけど
さすがに今回は動ける内容でもないしセリフを喋る技量の部分が試される形で
正直技量不足が完全に出てしまった感は否めないかなと。
でもおれっちはブンちゃんの真っ直ぐな所が凄く好きなので
更なる成長を期待しています○


後は教祖役の男の子（名前が分からんパート３●）
演技は微妙な感じだったけど
あのうすーい感じと役のキャラやキャスティングなどもあって
まぁアリか……というところでしょうか。
初めて観たのでまた別の芝居を観ない事にはまだ何も言えないですかね。。


とまぁこんな感じですが
最後、観終った後に感じた事として
連載物のドラマの２時間スペシャルを観たような感覚で
もしもこの家族をシリーズ化してやってるならそれもまだ悪くはないけど
これ単体で考えた時には少し物足りないかなと感じました。

個人的には劇場を出た瞬間に映画館を出たのに近い感覚
（むしろそれ以上）になるのが１つの基準になってるので
そういった点では悪くなかったけどもう一歩という評価になりますね。

長くなりましたが以上が朝からギョーザの感想にです。
あれこれと書きましたが今回はしっかりと楽しませて頂きましたので
また更なる成長を期待して次回を楽しみにしています。